印刷の“共存”時代は、印刷会社に新たな課題とチャンスをもたらしています。

今日の印刷会社は、絶えず変化する市場のニーズに応え、持続的なビジネス成長を実現するために、オフセット印刷とデジタル印刷の両方の機能を備えている必要があります。この印刷の「共存」時代は、印刷会社が新たな課題に直面する状況を生み出しており、コダックはdrupa 2024で注目を集めた顧客ラウンドテーブル討論の中で、これらの課題に対応しました。
Pureprint Group(英国)のオペレーションディレクターであるLee Reeves氏は、印刷会社が今日の“共存”時代にいかに成功できるかを議論する専門家パネルの一員として参加しました。サステナビリティへの強いコミットメントを持つPureprint Groupは、イーストサセックスとニューカッスルに3つの拠点構え、400人以上の従業員を擁する商業印刷およびマーケティングサービス企業です。同社は、デジタル工場(デジタル印刷機6台)とオフセット工場(高性能枚葉印刷機3台)を備え、さらに印刷後加工、保管、フルフィルメント、郵送の設備も有しており、「共存」時代を見事に乗り越えている企業の好例と言えます。
クロススキルが鍵
Lee Reeves氏によれば、Pureprintは「非常に早い段階でデジタル印刷を導入しました。最初の投資は20年以上前です」とのことです。この豊富な経験をもとに、Reeves氏は人材配置やトレーニングのニーズがどのように進化してきたか、そしてデジタルとオフセットの両方を扱うためにどのような新しいスキルが必要になっているかについて、強い見解を示しました。「現在の当社は、まさに混在した環境です。社員の中には『クロストレーニングを受けたい』『デジタルに関わりたい』と手を挙げる人もいます」とReeves氏は語ります。「ビジネスニーズは日々変化しており、私たちも常に進化しています。そしてスタッフもそれに合わせて成長しています。最近では、オフセット印刷機のオペレーターが『デジタルについてもっと知りたい』と申し出てくるようになっており、こうしたクロススキルの取り組みは、当社にとって非常に有益です。」
もうひとつの議論のポイントは、パネルに参加した印刷会社たちが、新しいデジタル印刷機やオフセット印刷機への投資を検討する際に、設備投資と継続的な運用コストをどのように評価しているかという点でした。この点について、Lee Reeves氏の見解は明確でした。「その決定は、どのように資金調達するかによって決まります。業界全体で利益率が厳しい状況にあるため、何かを購入する際には、しっかりとした投資対効果(ROI)があることを確認しなければなりません。そして最終的には、財務担当者が承認するかどうかにかかっています。」将来を見据えて、Reeves氏はさらにこう続けました。「私たちは市場の動向に合わせて動くか、あるいは撤退するかを判断します。例えば、工場にはオフセット印刷機用のスペースが4つありますが、近いうちにそのうちの1つに別の機械が設置されることになるだろうと考えています。ただ、現時点ではそれが何になるかは分かりません。市場では非常に多くの変化が起きているからです。」
Kodakの顧客ラウンドテーブル討論では、多くの示唆に富んだ洞察と視点が共有されました。 こちらから討論の全容をご覧いただけます。