印刷パースペクティブ

転機を迎えているデジタル印刷

ーまでに Jim Continenza, Executive Chairman and CEO, Kodak

十月 27, 2022

KODAK ULTRA 520 Digital Press printing

KODAK PROSPER ULTRA 520 Press

これまでのところ、デジタル印刷技術では一般的に、プロセスの高速化、少量案件への対応、および多様性のあるコンテンツなどの限られた範囲の応用に重点が置かれています。実際、Smithersによれば、デジタル技術を利用した印刷は、現時点では全世界で印刷される総ページ数の4%未満にすぎません。

しかし状況は変化しています。最近の技術的発展とパンデミックおよびウクライナでの戦争によって引き起こされた抜本的変化によって、デジタル印刷が転機を迎えています。もしみなさまが現在の経済環境において成功したいと考える印刷業者であるなら、今こそ自社の作業場にデジタル機能を導入するときです。

数多くの要因が、デジタルの妥当性および重要性の増加を推進しています。

  • 印刷品質の向上:当社のKODAK PROSPER ULTRA 520プレスの原動力であるコダックの革新的なULTRASTREAMテクノロジーは、オフセットに匹敵する品質と生産性を提供します。実際、KODAK PROSPER ULTRA 520は500 fpmで200 lpiのオフセットに相当する印刷品質を実現することができます。これは業界が待ち望んでいた夢の組み合わせです。
  • プレート・リスクの増大: デジタル印刷では、供給制限や二度と下がらないであろう価格上昇という点で印刷業者に重大なリスクをもたらす、プレートへの依存がなくなります。賢明な印刷業者は、たった1つの弱点のために作業工程全体の生産性を危険にさらすのは理にかなっていないことだと分かっています。これは、主要なプレート・メーカーから言われると奇妙に聞こえる可能性があることは承知していますが、コダックは、たとえそのために当社の製品ポートフォリオが短期的に犠牲になったとしても、お客様の長期的成長やビジネス存続に尽力しています。
  • サステナビリティー面での優位性: アルミニウム製のプレートは、製造や流通に多大なエネルギーを要します。Macquarie Groupのアナリストによれば、現在ヨーロッパでは、エネルギーはアルミニウム生産コストのおよそ80%を占めていて、従来の平均値の40%から増大しています。これは、デジタルを採用することにより印刷業者が削減に貢献できる膨大なカーボン・フットプリントです。さらに、従来のプレートの場合には、水、電気、および環境に有害な化学薬品の使用を伴う加工が必要とされます。それに対してコダックのインクジェット印刷機では、環境に優しい水性インクを使用します。
  • 高い操作性:実際のところ、デジタル印刷機は一般的なオフセット印刷機よりも操作が簡単で、シフト当たりの労働力も少なくて済みます。また当社のPRINERGYシリーズといった新しいワークフロー・ソフトウェア・ソリューションは、デジタル・プロセスを合理化し、印刷品質を最適化し、デジタル印刷をこれまで以上に効率化することができます。

誤解されないように申し上げますが、私は今すぐデジタルに完全移行することを推奨しているわけではありません。オフセット印刷は、特に大量印刷において独自の強みがあり、今後も長く存続することになるでしょう。私が提案しているのは、「どちらか/または」ではなく「および」のアプローチです。将来的に見ると、成功する印刷業者というのは、デジタルとオフセットの両オプションを提供して、自社の顧客により優れたサービスを提供し、より広範な仕事に対応し、収益性を維持することができる事業者ということになるでしょう。

私たちがデジタルの採用に向けた転機に来ていることは明らかです。それを無視するという選択肢はありません。賢明な印刷業者は、変革の必要性を認識し、デジタル印刷技術を採用し、業界の持続的発展に伴い成功に向けた態勢を整えることになるでしょう。