Graphic Packaging International

世界に130以上の拠点を持つ Graphic Packaging Internationalは、要求水準の高い顧客に対して革新的なパッケージ印刷を提供しています。スペイン北部の2つの拠点では、コダックのインクジェット技術を既存の生産ラインに直接組み込むことで、高付加価値の可変データ印刷分野への展開を、迅速かつ柔軟、かつコスト効率よく実現しました。

Graphic Packaging Internationalは、これまでに数多くの企業買収を通じて成長してきたグローバル企業です。スペイン北部カンタブリア地域にある2つの工場は、もともと独立系メーカーのNorgraft Packagingによって運営されていましたが、2017年にGraphic Packagingが買収して以降、各種産業向けにコンパクトなカートン包装製品をヨーロッパおよびそれ以外の地域に提供し続けています。数年前から、顧客の間で短納期・小ロットでの可変カスタマイズ要望が高まり、従来の大量生産体制ではそのニーズに容易かつコスト効率良く対応することが困難となっていました。競争力を維持するため、スペインのチームはコストを上げず、生産スピード（毎時5万〜12万箱）を損なうことなく、この需要に応える製品提供の進化が必要であると認識しました。こうした可変データ印刷に対応するにはデジタル印刷しかないと判断し、技術面での解決策としてコダックに依頼することにしたのです。

コダックは、Graphic Packagingに対し、従来の印刷製品に可変データを追加する手段として、KODAK PROSPER S-Series インプリンティングシステムの導入を提案しました。KODAK Stream インクジェットテクノロジーを搭載したこの高性能インクジェット・プリントヘッドは、同社の既存の品質・スピード基準に対応できる性能を持ち、現行の生産設備にインラインで設置可能であり、食品業界向けの顧客に最適なコダックの食品対応インクを使用できます。 現場での綿密な分析を経て、チームは高速モデルであるS20を選定し、カートンが1枚ずつ通過する唯一の工程である折り機に、PROSPER Sシリーズのプリントヘッドを設置することを決定しました。 コダックのフルサービスタイプのソリューションには、インクジェット印字をモニタリングするカメラも含まれており、品質に問題が検知された場合にはアラームが作動して製品を排除する仕組みになっています。 この柔軟な構成は、カートン製造のような粉塵の多い環境でも、清掃のために容易に取り外しが可能で、必要に応じて再構成もできます。コダックは、インストールの全工程にわたり現地チームをサポートし、現在もトラブル対応やコンサルティングを継続的に提供しています。

PROSPER S-Series インプリンティングシステム のスペイン拠点にとって、PROSPER Sシリーズ・インプリンティング・システムへの投資はすぐに成果を上げました。間もなく生産量の約20%が新たなインクジェット印刷オプションを活用するようになり、顧客からの追加依頼も継続的に増加しました。同社は、主な製造プロセスを変更することなく、クリスマスカードやギフトプロモーション、懸賞キャンペーンなど、さまざまな付加価値のあるカスタマイズオプションをカートンに提供できるようになりました。PROSPERシステムは、既存のさまざまな用紙・素材にも確実に対応し、時速1,000～2,000フィート（毎分約300～600メートル）の生産スピードを難なく維持。コストへの大きな影響もありませんでした。コダックのインクジェット・インプリンティング技術は、Graphic Packagingのスペイン拠点が競合他社との差別化を図り、パッケージ印刷という厳しいビジネス環境下でも年間10%の成長を維持するための重要なツールとなっています。