印刷パースペクティブ

デジタルパッケージング印刷に対するコダックのソリューション

七月 27, 2021

PROSPERインプリンティングシステム ₋ 従来のパッケージ印刷プロセスに向けた完璧なパッケージ

Perfect Package collage

軟包装材やラベルから折り畳み式の箱や段ボール箱まで、パッケージの生産ではデジタル化が急速に普及しています。このトレンドを牽引する要因はいくつか存在します。生産における柔軟性の向上および上市までの時間の短縮に対するニーズは、パッケージへのデジタル印刷化を加速させています。デジタル印刷では、アナログ印刷のプロセスにかかる長期のリードタイムやコストが解消されます。現在では、柔軟性の向上を求める顧客に対応するため、ますます多くのブランドオーナーが頻繁なデザイン変更や効率的な短納期生産を可能にするソリューションを模索しています。また、彼らは顧客エンゲージメントを高めるため、パーソナライゼーションやバージョニングも必要としています。さらにデジタルの優れた柔軟性と汎用性を活かし、パッケージデザイナーは陳列棚で目を引くように、注目を集めるクリエイティブなコンセプトを実現することもできます。たとえば、コンサルティングおよび市場調査サービス会社のSmithersによると、デジタルパッケージおよびラベルの市場は2017年から2022年にかけて年間約13%成長するとのことです[1]

今日の市場では、多様な包装に対応する様々なデジタルプレスが販売されています。フレキシブルパッケージングのオプションの中でも、有力なのがコダックとUteco Groupと共同開発した高生産性UTECO Sapphire EVO WプレスおよびSapphire EVO Mプレスです。 これらの高速デジタルプレスは、最大幅1,370mmまたは650mmのメディアに印刷でき、コダックのコンティニュアスインクジェットテクノロジーとコダックの水性インクを使用します。

パッケージ生産の従来のプロセスにデジタルの汎用性を追加

コダックの製品ラインには、パッケージ印刷会社が従来の印刷またはパッケージプロセスをデジタルの柔軟性によって転換させ、強化できるソリューションが含まれています。KODAK PROSPER PlusおよびPROSPER Sシリーズインプリンティングシステムは、オフセット、フレキソまたはグラビア印刷と折り機はグルアーシステムなどの仕上げラインを統合します。アナログ印刷プロセスにデジタルの柔軟性を加え、スループットを妥協することなく、最先端のハイブリット生産シナリオを実現できます。 こうした汎用性の高いインプリンティングソリューションは、段ボール箱、折り畳み式の箱、ラベル、および軟包装材に適しています。

「コロナが収束した後は、サプライチェーンの確保、店内の陳列棚の空きを回避すること、急速に変化する需要パターンへの対応能力がブランドや小売店にとって重要となります。迅速な対応と俊敏性を向上させるものが役立つでしょう」と、SmithersのSean Smyth氏は語っています。また、同氏は以下のように述べています。「パッケージ印刷プロセスの様々な段階で印刷できると、すべてのアートワークの最終判断をより後期段階、つまり最終消費者に近い段階で行えるようになります。パッケージにとって、この後期カスタマイゼーションは上市までの時間を削減するため、ますます重要視されています。高品質なインプリンティングソリューションでは、最終パッケージの一部をオンデマンドで印刷できるようになります。 これにより、SKUのバラエティ、言語別のパッケージが可能となり、またはパッケージに固有の識別子を追加することもできます」

KODAK PROSPERインプリンティングシステムにより、サプライチェーンの追跡を目的としてシリアルコードなどのセキュリティ機能をパッケージに追加したり、地域別の規制の内容を印刷することも容易です。同様に、くじやゲームのキャンペーンの可変コード、コネクテッドまたはスマートパッケージなど、変化するデザインやマーケティングの要素もパッケージのデザインに統合できるようになります。PROSPER S10インプリンティングシステムアジアのブリティッシュ・アメリカン・タバコは、この種の用途について示す良い例です。このシステムを使って、日本市場向けに固有のQRコードや可変データをパッケージに印刷しています。Webサイトでサインアップすると、消費者はこのQRコードを使ってロイヤリティポイントを貯めて、後にくじに参加することができます。 この方法で収集した消費者データは、商品のリーチを分析し、より標的を絞ったマーケティングキャンペーンに役立てることができます。

デジタルターボによるハイブリットパッケージ印刷

KODAK PROSPERインプリンティングシステムはコダックのStreamインクジェットテクノロジーを採用しており、驚くべきスピードで最高品質の印刷を実現します。

PROSPER Plusシステムは、最大解像度600 x 900 dpiに対応し、2つの異なるスピードと印刷幅のバージョンで提供されています。最高600 mpmという卓越した印刷速度により、これらのシステムでは、アナログ印刷生産における障害がデジタルによって解消されます。幅狭の設定の印刷幅は105 mmです。つまりこれらのインクジェットモジュールのうち、4つが併用されると、CMYKカラー印刷が可能になります。 より幅広のバージョン(「W設定」)では、2つのインクジェットモジュールを使ってシームレスに印刷するため、パッケージデザインの210 mm幅ゾーンに豊富なデジタルコンテンツを入れることができます。

「チャネルの混乱や疲労がデジタル通信チャネルに与える影響から、印刷は消費者を安全で関連性の高いデジタル体験へと導く媒体になりました」と、Keypoint Intelligence(InfoTrends)のMarc Mascara氏は、今日の市場環境におけるこれらの機能の影響について語っています。また、同氏は次のように述べています。「地域別のパッケージだけではなく、パーソナライズされたパッケージのパーソナライズされたコード、そしてARコードなどにより、消費者はデジタル拡張現実へと導かれます。これは、紙ベースのコミュニケーションによるファーストタッチから直接生まれます。 インプリンティングソリューションを追加することで、パッケージ印刷会社はアナログ装置に対する既存の投資の寿命を延長するだけではなく、パーソナライゼーションや関連コンテンツといった消費者が希望するコミュニケーションの波を捉え、自身をパッケージ業界のニーズに適応させていくこともできます」

Inkjet InsightのElizabeth Gooding氏は次のように加えます。「フレキシブルパッケージング、折り畳み式の箱および段ボール箱の分野では、多数の新たなインクジェット印刷機が登場しましたが、印刷業者やコンバーターは、アナログソリューションに多額を投資しているため、カスタム化されたインクジェットインプリンティングソリューションが大変魅力的となっています。 パッケージ印刷会社は、ダイナミックでフルカラーのインクジェット機能によりサービスラインナップを強化し、バージョニングが必要となる地域別のパッケージ規制について、顧客に経済的なソリューションを提供できます。また、実店舗とEコマースの配送で異なるパッケージバージョンにも対応し、パッケージでのクロスセリングやローカル版の広告を提供することもできます。」

インクと液体の重要性

インクの特性は、デジタルインプリンティングの汎用性、色品質およびコスト効果を左右します。KODAK PROSPERインプリンティングシステムでは、コダックが開発・製造している水性ナノ粒子顔料インクを採用しています。このインクはその化学組成により、速乾性となっています。 コダックの独自のインク顔料ミリングプロセスにより、KODAK PROSPERインプリンティングシステムでは、鮮やかな色で鮮明なイメージを出力し、ブランドカラーにマッチさせます。そのため、ブランドオーナーの期待を超えることができます。

コダックのインクジェットインプリンティングシステムは、水性顔料インクに最適化された水性インク受容層プライマーを利用することもできます。これらの印刷可能なプライマーは、「最適化剤」とも呼ばれ、基盤を問わない印刷品質を高速で実現します。 コダックは、紙、ボード、および柔軟なフィルム基材によるパッケージ材に対して幅広い最適化剤を開発しました。

パッケージ生産に関して特に懸念される重要な点の1つとして、コダックのインクは、目的通りに使用すると、堆肥化可能性および以下を含む間接的食品接触包装材に関する最新の指令に完全に対応することができます。

  • 米国連邦食品・医薬品・化粧品法および適用される食品添加物規制(21 C.F.R. Parts 170 et. seq.)
  • カナダ食品医薬品法および食品医薬品規則(C.R.C., c. 870 Part B, Division 23)
  • 欧州連合のGMP(Good Manufacturing Practices)およびEU規制No. 2023 / 2006
  • 食品接触材および物質に対するスイス条例の付録VI(SR 817.023.21

印刷機能を強化する完全なデジタルパッケージ

KODAK PROSPER PlusおよびPROSPER S-シリーズインプリンティングシステムは、プリントヘッド、データおよび流体コントローラー、インクで構成されています。 実質的にあらゆるデジタルパッケージを可能にするカスタム仕様のソリューションも用意されています。

コダックで印刷部門のシニアバイスプレジデントを務めるRandy Vandagriffは次のように述べています。「KODAK PROSPERインプリンティングシステムは非常に柔軟性が高く、従来の印刷プロセスに限界が来たときに最適です。当社のインプリンティングソリューションを使うと、パッケージ印刷会社は、既存の生産装置を体系的にアップグレードすることでデジタル戦略を簡単に実現できます。このサービスを導入することで、顧客に可変の印刷オプションを提供し、高成長、高マージンセグメントへと速やかに拡張していくことが可能になります。」

KodakおよびPROSPERはEastman Kodak Companyの商標です。 UtecoおよびSapphireはUteco Group(Uteco Converting S.p.A.)の商標です。

デジタルパッケージの印刷ソリューションに関する詳細は、当社のセールスチームまでお問い合わせください。