The Villages Daily Sun

The Villages Daily Sunは、小さな地元紙からフロリダ州最大級の日刊紙へと成長を遂げた新聞社です。現在では複数の新聞フォーマットで大量印刷を行い、商業印刷サービスも展開しています。こうしたビジネスの需要に応えるため、コダックの高速・高機能なCTPソリューションを製版工程に活用しています。

The Villages Daily Sunほど印刷事情に精通している新聞社はそう多くはありません。フロリダ州中部に拠点を置くこの人気の日刊紙は、ウェブオフセット印刷機で多くの版を使用するため、長年使い続けてきたCTP（コンピューター・トゥ・プレート）機器では、現在の需要に対応できなくなっていました。同社の印刷設備には、Koenig & Bauer製のCommander CT輪転機が導入されており、96枚の版を同時に扱え、1時間に90,000部の新聞を印刷できる高性能マシンです。これは、新聞の印刷だけでなく、外部顧客向けの商業印刷にも活用されています。そこで課題となったのが、プレート作成の能力とスピードの向上でした。この輪転機に対応するには、72インチのダブルワイド版胴に合わせたCTPソリューションが不可欠であり、しかも多様な印刷フォーマットに対応できる柔軟性も求められていました。同社では既に工程を簡素化するために有処理版を廃止していましたが、現状のプロセスフリープレートにおいては、乳剤のムラや粗さなど品質面で満足できない状況が続いていました。そこで頼ったのがコダック社です。コダックは、超高速のCTP自動化とプレートのアップグレードこそが最適解であると判断。印刷品質と生産効率の両面において、同社の課題解決に向けた技術提供を行いました。

The Villages Daily Sunは、36インチのプレートサイズに対応できる唯一のCTP（Computer-to-Plate）として、KODAK GENERATION NEWS プレートセッターを2台導入しました。これらのCTPは、コダックの最速モード「Z-speed」にて、1時間あたり115枚のプレートを出力する能力を持っています。さらに、各プレートセッターには異なるサイズのカセットが4つ搭載されており、最大1,600枚のプレートをストック可能。印刷ごとに適切なサイズのプレートを自動で装填することで、オペレーターの介入なしで長時間の連続作業を実現しています。また、同社はKODAK SONORAプロセスフリープレートに切り替えたことで、品質面でも大きな改善を実感しました。印刷機上で現像処理が行われる“develop-on-press”方式により、印刷開始から数枚以内で表面の乳剤がきれいに除去され、他社のプロセスフリープレートで発生していた製造上の欠陥からも解放されました。

新たに導入されたCTPシステムによって、The Villages Daily Sun社は、忙しい印刷スケジュールに対応できる十分な生産力と柔軟性を確保しました。2台のKODAK GENERATION NEWS プレートセッターは、大型構造と複数のカセットを備え、10、11、12インチのブロードシートやタブロイドから、18インチのロングタブ、その他の四つ折り製品まで、同社が扱う全フォーマットに容易に対応します。このプレートセッターは、1,200dpiの高解像度で、1時間あたり200枚のプレートを安定かつ高速に出力するほか、自動化による省力化によってプレートを途切れることなく生産することができます。また、同社が現在使用しているKODAK SONORA プロセスフリープレートは、従来の版で発生していたスタートアップ時の廃棄ロスを大幅に削減し、プリプレス工程の効率と品質をさらに向上させました。ビジネス環境の変化や、発行部数・印刷回数が変化する中においても、コダックの柔軟なソリューションがあることで、The Villages Daily Sunは迅速かつ機敏な対応力を維持できるようになっています。