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コダック デジタルシネマ
デジタルシネマを語る

パット・マーシャル
コミュニケーション・投資関連部門バイスプレジデント
シネプレックス・エンタテインメント



  パット・マーシャル氏
パット・マーシャル氏
カナダと米国の事業における相違点

カナダの映画産業は米国と似ていますが、カナダならではの特徴もいくつかあります。たとえば、特定の民族をターゲットにして米国でヒットした映画は、たいていカナダでは米国ほどは成功しません。なぜなら、米国とは民族構成が異なるからです。

また当社の経験から言うと、書籍を映画化したものは、米国よりもカナダの方が成功することがよくあります。理由はよく分かりませんが、『ロード・オブ・ザ・リング』三部作のような非常に人気のある映画の場合、米国に比べるとカナダの方が、非常に良い成績を収めています。

カナダの興行成績は通常、北米全体の興収の約10%ですので、成績がその幅より大きくぶれた映画は、おおむね先に説明した2つの理由のどちらかによるものと考えられます。
 

コンセッションの重要性

当社はコンセッションを総合的な顧客サービスの重要な一角を占めるものと位置づけ、バラエティ豊かな商品を提供しています。映画につきもののポップコーン、ソフトドリンクはもちろんのこと、ミネラルウォーターやその他のボトル飲料、ジュース類、栄養ドリンクに加え、ピザ、スープ、サンドイッチ、フライドポテト、チキンテンダー、ナチョス、ドーナツ、マフィンなど食べ物のメニューも豊富です。コーヒーもご用意しています。

具体的な品揃えはサイトごとに設定していますが、当社では現在ブランドを特化したコンセッション サービスに乗り出しており、New York Fries, Pizza-Pizza, TCBY, Wetzel’s Pretzels, Burger Kingや、また最近では、 Tim Horton’s とフランチャイズ契約を結びました。実に幅広いブランドを取り揃えています。

当社の大型サイトのコンセッションは、まるでフードコートのようです。もしご覧になる機会があれば、それぞれのブランドのコーナーがまるで一軒の店舗のように見えると思います。私どもはフランチャイズ加盟店ですので、運営は当社のスタッフがあたっています。

私どもは、事業を評価する際、劇場内の各ブランドの飲食コーナーがそのサイトに見合っていて、うまくいっているのかを、1サイトごとに精査します。そして、精査結果の芳しくないコーナーは閉鎖し、代わりに他のサイトで成功しているブランドをオープンさせています。
 

シネプレックス・エンタテインメントの企業理念

当社の理念は、起業家的であれ、ということです。絶えず新製品を試すことに積極的です。うまくいったものは多くのサイトで取り入れ、逆に期待に沿わないものは中止して他のことに取り組むなど、方向転換も非常にすばやく行います。

私どもはいつも新しいものを探しています。シネプレックス・メディアの買収や、コダックのデジタル プリショー システムの導入がその良い例でしょう。様々なプリショー製品を試しましたが、扱いにくかったり、柔軟性が乏しいなど、当社のスクリーンで使いたいと思うようなレベルの製品ではなく、加えて、既に他社製品には採用されているにもかかわらず、私どもが欲しかった機能も備えていませんでした。検討の末、私どもはコダックのプリショーシステムを導入しました。これにより、当社は大きなアップグレードを果たすことができました。

私どもは、広告の機能と同時に娯楽性も備えたプリショーを求めていました。現在の当社のプリショーは、純エンタテインメント コンテンツ、スポンサーの提供するエンタテインメント コンテンツ、そして広告コンテンツで構成されています。私どもは、最大の収益をあげるという点と、価値あるエンタテインメント性の高い映像体験を観客に約束するという点のバランスを重視しています。

以前のプリショーからは大きな変化ですが、プリショーをはじめ当社の事業のあらゆる構成部分において、今もそして今後も、活動の完了ではなく進行形を保つことに目を配っています。
 

スクリーン広告

私どもは、広告主の発信するメッセージが、可能な限り最高に好意的に観客に受けとめられるよう支援したいと考えています。ですから、広告代理店に対して、劇場用に特化したクリエイティブな広告を要求しています。ただ、広告制作費の問題がありますから、必ずしも要求どおりにいくわけではありません。しかし、大規模なキャンペーン広告を展開する場合は、まず当社の劇場で上映し、その後テレビなどの媒体に流すよう要望しています。「この広告はテレビで見た」なんて当社の劇場で言われたくないですからね。

さらに当社は、映画のレーティングに応じて広告をカスタマイズし、大人の観客を対象にしたキャンペーン広告が家族向けの映画の前に流れないようにするなど気を配っています。そういったことができるのも、コダックのシステムならではの大きなメリットだと思います。

スクリーン広告、この度リニューアルしたウェブサイト、そして劇場で無料配布する独自の映画雑誌により、当社では完全な広告パッケージを提供できます。広範囲に宣伝できるので広告主の評判も良く、総合的なエンタテインメント体験の一部として観客にも喜ばれています。
 

シネプレックスがパートナーに期待すること

当社がパートナーに求めるのは、非常に強いブランド、即ち一貫性のある製品を持った信頼できる企業です。私どもはこれまでに巨額の資金を投じて独自のブランドを打ち出し、極めて大きなブランド資産価値、を確立してきましたので、ブランドパートナーにも同様の価値を求めます。来場されるお客様を決して失望させないように、何よりもまず、信用できて頼りになるブランドと製品を当社は望んでいます。ビルの外側に掲げているのは私どもの看板ですからね。
 

デジタルシネマで業界はどう変わるか

昨年始めたメトロポリタン歌劇場の “Live in High Definition”(メトロポリタンオペラをHDでデジタル上映する試み)で、私どもはお客様の視点からも、また投資家の視点からも大きな成功を収めました。また、ワールドワイド・レスリングの上映も大成功しています。当社は主に映画事業で知られていますが、実際には総合エンタテインメント施設、エンタテインメント全般を目的とする事業を運営しているのです。

お客様は、映画を鑑賞するために劇場に来られるわけですが、そう遠くない将来、チケット売り場に来られたお客様は、映画のみならず実に様々なエンタテインメントが、劇場にプログラムされていることに気づくことになるでしょう。デジタル上映システムは、番組の多様性も可能にしてくれるのです。
 

海賊版撲滅の必要性

2005年に出回った、映画をビデオカメラで録画した違法コピーのうち、20~25%がカナダで撮影されていました。これはカナダの法律が技術の進歩に追いついていないことが主な理由です。違法コピーは常に著作権侵害とみられてはいたのですが、個人を起訴するには、その人物がそのコピーを流通させて利益を得る意図を持っていることを証明出来なければなりませんでした。その証明が非常に難しいのです。

著作権侵害は業界全体の問題です。17歳の少年が何かをコピーして友達と見せ合うといったような行為も不正行為ですが、何百万ドルもの大金が動く、世界中の市場に広がる組織的犯罪に、業界をあげて対処することが極めて重要です。

私どもシネプレックスは、劇場で映画や映画音声を違法コピーすることが、どれだけ深刻な状況を生むか消費者の意識を喚起するよう取り組みました。さらに、著作権侵害を刑事犯罪として十分な実刑と高額の罰金を科すよう法律を変える働きかけも行いました。

こうした取り組みの結果、また多くの方々の努力により、法律が改定され、劇場内でマネージャーの許可なく映画をビデオカメラで録画することは刑事犯罪になりました。違法コピーの作成は2年以下の懲役を科され、その違法行為によって利益を得ようとする意図が証明された場合は5年以下の懲役が科されることもあります。
 

シネプレックス・エンターテインメントの事業はどう変化しているか

当社がプロダクトミックスとして提供するものは変化し続けています。もちろん映画をお届けしておりますが、映画以外のコンテンツも上映していますし、コンセッションは依然としてコンセッションではありますが、ビジネスチャンスを広げるブランド商品を拡充しています。間違いなく楽しい経験を味わうことができ、理想的な環境で映画を鑑賞するために、お客様は自宅から劇場へと足を運んでくださると考えています。

「私の映画はぜひ18インチのTVで観てもらいたい」などと言う映画製作者はいません。映画製作者は、多くの人々に自分の撮った映画を、素晴らしい音響システムを備えた、劇場の大きなスクリーンで観てもらうことを意図して製作しています。さらに、ほかのお客様と一緒に楽しむということも映画の重要な要素です。私どもが観客に提供するのは、他では得られないエンタテインメント性の高い映像体験であり、それこそがシネプレックス・エンタテインメント・ブランドなのです。

 

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