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島根医科大学は1975年に島根県出雲市に創立された。この出雲の地は医療の神様といわれた大国主命(おおくにぬしのみこと)によって治められたとされる。近代的な設備を誇り、最先端の医療を実践する島根医科大学を支える学内LAN情報システムは、この地にふさわしく「SUSANO(すさのお)」と命名されている。須佐之男命(すさのおのみこと)はこの地において大蛇を退治したと古事記に記されている。まさに神話の国である。
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試行錯誤のスキャナー選び |
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「あのスキャナーは、とっても評判いいですよ。きれいに写りますよ」と挨拶する間もなく、島根医科大学 医療情報学教授 山本和子先生が切り出した。気さくに、しかも簡単そうに話す島根医科大学の電子カルテへの取り組み、それは5年以上の歳月に渡る試行錯誤の連続だった。どうしても市販のシステムでは満足できず、常に新しいものを探しながらの挑戦の始まりは、デジタルカメラを使って既存のカルテを電子ファイル化することからだった。しかし、実用可能な画質を得るためには、カルテ1ページが数メガバイトにもなってしまい、システムとして機能させることはできなかった。その後、数々のスキャナーをテスト的に導入してはみたが、カルテに添付された紙を自動フィーダーで通すことができず、非常に効率が悪かった。「カルテの場合はフラットベッドのスキャナーを使って、1枚ずつ手作業でスキャンしなければだめなのかと諦めかけていたときに、電子カルテシステムの構築をお願いしている住友電気工業さんからコダックのDS3500を紹介されたんです」(山本教授)。コダックのDS3500スキャナーは書類のサイズや厚みの違いにも柔軟に対応でき、しかも書類を全く痛めないので、カルテのような非定型書類の入力には最適なのだそうだ。それでも、スキャンしにくい写真などはフラットベッドスキャナーで取りこみ、ソフト上で1つのカルテとして見えるようにしている。 |
電子イメージによるカルテファイリング |
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山本先生は、「他の病院で、電子カルテというと、医師が診断した結果をキーボードを使って書き込むために、紙のカルテが存在しないんです。だからウチのシステムは古いんです」と、さかんに謙遜する。しかし、現実には全ての医師がキーボード操作を抵抗無く受け入れることは難しく、完全にペーパーレス電子カルテシステムの構築は困難である。さらにカルテは一般の書類と違い、書き方に特別な規制がなく、担当医が自由に記入する事ができる。だから、そこには文字だけではなく、絵やメモなどが多数存在する。したがって、もっともコンピュータへの入力が難しい書類だといえるかもしれない。 |
電子カルテを補間するもの |
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そこで現在開発を進めているのが、手書き書類のイメージ化との併存による電子カルテ化の実現だ。たとえば外来の場合、患者を受付けると担当医の席の近くのプリンターから患者ID、日付、診療科などをバーコード化したヘダー情報をプリントした用紙が打ち出される。診察の際、この用紙に線画などを医師が書き込む。過去の病歴は目の前のディスプレイに表示されているから、机の上に分厚いカルテはない。もちろん経過記録、検査データ、写真、投薬の情報なども併せて表示されている。診察が終わると、線画などは病歴室のスキャナーで入力され、過去の情報に追加される。これで、いつでも、院内のどの端末からでも検索する事ができる。
このシステムは、まだテスト段階である。今後、外来カルテを電子化するためには、イレギュラー処理やカルテのデザインなど、まだ検討しなければならないことがあるそうだが、完成は近い。島根医科大学では、すでに退院カルテに関しては、医師であれば全ての外来、病棟などのLANで結ばれた端末で、光ディスクライブラリーからイメージデータを呼び出して検索できるようになっている。「電子カルテはすべてがデジタルで無ければならないと思われがちですが、それではなかなか浸透しません。いろんな制約を付けたり、無理にコンピュータに合わせようとしてもだめなんです。必要な情報は可能な限り取り込んで、知らない間に電子カルテができていた、となることを目指しているんです」(山本教授)。すでに、医師が自分で撮影したデジカメのデータやパソコンで作画したデータなどのほとんどのデータを受入れて、カルテの追加情報として記録しているそうだ。
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